恋愛最前線
「話たいことがある」

体力的に一杯一杯の彼に。

横になりながらでいいから 聞いてね。と。

宏次朗から聞いた話を 全て伝えた。

惣市は ずっと 黙って聞いていたが。

「…関係なくねぇ?」

そう言って 智身を見た…。

彼らしい…。言葉だ…。

「智身はどうおもう?」
「惣市くんのお父さんの気持ちもわかるよ…」

「…うん…俺も分かるよ。俺たちのこと考えてくれてたのには驚きだけど」
惣市は笑う。
「俺は、難しいことはわからねー。考えるのすきじゃねーし…ただ…智身の事をこれで諦めろゆわれても無理だよな。あのおっさん。笑」

心なしか 彼の表情は、思い詰めたかんじではなかった…


「智身はオレん家のことはなんも心配しないで…俺がちゃんと話して来る。」

「大方は信じてるんだょ…切れてしまうのが…ほんとに嫌…」

「わかった。俺が次きれたら、殴っていい。どう?」

惣市は笑いながら言う。
「甘くないか?」

「じゃ、どうするょ」

「考えたくない。笑。私も考えるのすきじゃないょ。…」


惣市は 苦笑いの彼女を 抱き締めた。

「俺…智身に似合う男になる…心配しなくていいから…。ごめんね…。ごめん…」

惣市は もはや あやまることしか出来ないでいた。

智身は 彼のうでの中で…

彼の言葉 行動…
彼を信じること。

2人は この時 言葉にだすことはなかったが


互いに…なにが起ころうが。

相手を信じること。

簡単ではない。

しかし

恋愛の本当に始めの一歩を踏み出せた…


「これ。ありがとうね。まだ…ちゃんとありがとう言ってなかった…」


智身はネックレスを握り締めた。


「すげー似合ってる…」
さっき… 智身が自分を迎えにきた時に、彼女の胸元のネックレスに気付いて… 我に帰った…


彼女は、つけていてくれていた。


もう一度 強く 彼女を抱き締めた…
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