恋愛最前線
15歳少年の憂鬱
江戸川 惣市
エドガワ ソウイチ。

15歳。中学3年。 受験を控え… 一人合宿。…なわけでは なかった。

小学校からエスカレーター式の、全国でも有数の進学行へ通っているから、余程の事がない限り、受験なんて無縁。

もちろん、彼の場合。

学力で入学してのではなく。

親のコネ。


6つ上の兄、宏次郎は、同じ学校ではなく、自らの意志で更にハイレベルな大学に通っている。

そもそもの出来が違うのだ。

惣市の通う「聖華学院」は、ピンからキリで。

彼は、キリのほうだ。


自分の人生の先が見えていた。

このまま、適当に暮らして、親の後を継いで、優雅に暮らす。


どうでも良かった。


まだ15歳の彼には、全てが、先のこと過ぎた。

宏次郎は、家業を継ぐ気がないらしく、顔を合わせるたびに、父親とは喧嘩をしている。

本来なら、父は兄に、全てを任せたい。

残念な事に、宏次郎は、実業家よりも、研究者になるらしい。

何をしてるかなんて、惣市は知らないが、たまにこうして、会う。


兄は、家を出て、一人で暮らしていた。


「きもちーなー」

惣市は、タバコに火を付ける。

ビールを飲む。

大人って、コレの繰り返しなんだろうな・・・。


特に、彼が、不良とかではないが、普通よりは。悪いかもしれない。

そんな彼を、父も期待していないのは知っていた。

とにかく、問題を起こすな。


くだらない。



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