恋愛最前線
穏やかな日々?!
智身と惣市が暮らし始めて、半年が経とうとしていた。

夏の終わりから、もう、2月になる。

智身は、就職活動や、卒論のレポートに追われていた。

惣市は、このまま行けば、何事なく高等部へ進学する。

智身も早ければ、今月中には、就職先が決まっている。

昨年末から、何社からかは内定はもらっていたものの、なんとなく、気乗りせずに

年を越してしまった。

智身には、ある考えがあった。

まだ、誰にも話していなかった。

携帯が鳴る。

「智身ー、ケータイ鳴ってる」

「うん、はいはい」

実家からだ。

「もしもし?」

「あ、おかあさんか。なに?」

「仕事、どなにしよーの?って、おとうはんがなぁ」

「うーん。まだ、こっちにおりたいんよ。就職は心配ないゆうといてな」

「あんた、ずっと、そっちにおって帰ってきいひんつもりやろー」

「・・まだ、先のことはわからんやん・・・悠太は?」

「あんたとちごうて、勉強はきらいみたいやからね。笑」

中学に、今年入る、弟。

智身とはだいぶ、年も離れているから、話す事もそんなに無いのだけれど。

「おかあさん、ごめん、今からバイトいくんよ」

「はいはい。じゃぁ、たまには帰ってきなはれ。お正月も帰ってこんで」

「わかった、わかった、じゃあね!!」


智身の会話を聞いていた惣市は、

「たいへんそーだな」

「向こうで就職か、結婚かして・・とにかく帰らせたいんだって・・」

「うん。まぁ、おんなだし、普通にそうおもうんじゃねー?ってか、バイト?」

「うそ。笑。あーゆわないと、終わらないから・・」

「そっか。で、まぢで、就職どうすんの?」

内定を貰っていて、恐らく、ここにする!

と、決めているところがあった。

「うん。今週中には、決めるよ」

「どこ?」

「普通の事務職」

「なんか、にあわねーな」

惣市は、笑っていた。

「なになら、にあうん?」

「うーん。先生とか?俺の学校くればいいのに。そしたらおれ、もっと頑張るのになー」

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