恋愛最前線
智身の携帯にメールをするが、返事は無い。

30分後、ようやく式典が終わり、生徒たちは、それぞれのクラスに向かう。

「いくか」

惣市たちは教室へ向かった。

「聞き間違いかな・・・」

サチコが言う。

「ふつー、来るなら、来る言うよな」

明良も言った。

惣市も同じ事を思っていた。

真実まで、後。数分。

黒板に、席の表が、貼られている。

惣市は、前から3番目。

一旦、席に着き、机の上の教科書を机の中にしまった。


少しすると、担任、副担任が入室してきた。

中等部の頃とは、校舎も先生もまったく違う・・・。


担任に続いて、入室してきたのは・・・


やっぱり。

智身だった・・・。

惣市、明良、サチコは・・・

「うそ・・・」

一方、智身は、担任の後に続いて、冷静そうだった。

「皆さん、始めまして。今日から、1年3組を担任します、福田 一 です。
担当は科学です」

福田は、黒板に自分の名前を書きながら、自己紹介をさらっとした。

40歳らしい。

そして、

「で、隣の先生が、岩倉先生です。副担任をしていただきます」

福田は、智身にチョークを渡して、挨拶の交代をする。


先に智身は、名前を書くと

「はじめまして。新卒です。みなさんと同じ1年生です、1年間楽しく過ごして行きたいと思います。担当は英語です。宜しくお願いします」

極めて、シンプルな挨拶。

智身は、挨拶の後に、惣市を確認すると、いぢ悪そうに微笑んだ・・・。
< 74 / 77 >

この作品をシェア

pagetop