恋愛最前線
2~30分寝てしまっていた。

そろそろ海辺の風が、肌寒く感じてきた。

別荘へ戻る。

既に、庭でのバーベキューは、終了していたらしく、リビングに全員集まり、
部屋での飲み会になっていた。

「どこ行ってた?」

宏次郎だ。

「さんぽ」

惣市は、冷蔵庫からまた、ビールを取り出すと、部屋に戻る。


別荘は2階建てで、彼は、2階の一番奥の部屋を寝室としていつも使っていた。

2階に上がろうと階段に差し掛かったときに、人とぶつかり、手に抱えていた
ビールや、つまみを落としてしまった・・・。

「ごめん!!」

智身だった。

「あ~。だいじょうぶっすよ」

彼は、再度、落とした荷物を拾う。

「持ってこうか?」

さっきは、テーブルに抱えやすいように並べてから、持ってきたが、落としたものを
さっきと同じようにきちんと、並べて抱えるのは難しかった。

「・・・お願いします・・・」


彼の部屋のドアを開ける。

ビールの缶が、散乱。

タバコの吸殻が、放置。

「うわぁ・・・」

智身は、片付け始めた。

「いいよ。後でやるから。下、戻っていいっすから」

「このまま、あと2週間はいるんでしょ?寝てるときに、ゴキブリくるよ・・・」

智身は、笑った。

「うわ。それはイヤだ」

惣市は、下へ戻ると、ゴミ袋を持ってきた。

とりあえず、ゴミをまとめる。

「後は、明日!!」

「ありがとう」

「いいえ!」

「飲んでく?」

惣市は、ビールを差し出した。

「ありがと」

智身も、喉が渇いていたらしい。

2人とも、勢いよく、ごくごく音を立てて飲む。

「うめー。労働のあとの一杯は・・・」

「あはは。ちょっと片付けただけジャン?」

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