恋愛最前線

「暑いから！」
２人は、そのまま、くだらない事を話していた。

「戻らんでいいの？」

「盛り上がってるだろうからねー。私、苦手なんだよ・・・ホントは」
智身は、そういって笑う。

「なんで、サークルなんかしてんの？」

彼は、不思議そうに聞いた。

「うーん。ヒロちゃんに誘われた。せっかく大学生なのに、１つくらいやるもんなのかーみたいな・・・」

「自分の意志ねーのか？」

彼は、柿ピーを、口に投げ入れた。

上手にキャッチできた。

「えー、自分の意志やんかぁ。きっかけは、友達の誘いなだけやない？」

「そーか。そーなの？」

智身も彼のまねをして、ピーナツを放り投げた。

残念ながら、キャッチならず・・・。

「下手だな」

惣市は、こうやるんだよ、と　もう一度やってみせる。


「うまい、うまい」

智身は、拍手する。

「垂直にあげなきゃ」

５回に１回くらいの、成功率。

「よし、もう一回！！」

智身は、たかく上げすぎて、もちろんキャッチできず、

惣市のほうに倒れこんだ。

形的に、彼女に、押し倒された感じの惣市。

彼は、少し、ドキッとしていた。

２人とも、酔っ払っているから、なかなか起き上がれない。


智身を支えて、抱き起こす。


「アハハっ。ごめんごめん」

「酔っ払い過ぎ～？」

もちろん 彼女の方は、何とも思っていない様子。

だって 自分より 6つも下で ましてや 中学生に まさか

恋するなんて。

この時には、

想像すらしていなかった。


一方…彼もまた、

この時期… 年上の優しげな女の人には 誰もが憧れを感じる。


彼も、彼女と同じように考えていた。