国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
休暇を終えた今日、ニーナとフェルディナンドは皇帝に呼び出されていた。
城に到着すると、中庭のような場所に案内される。

(厳つい要塞かと思っていたけれど、こんな場所もあったのね)

色とりどりの花が咲き誇る庭の奥で、皇帝とマーティスがお茶を楽しんでいた。

「こんなところに呼び出しておいて……お楽しみのようですね」

フェルディナンドが声をかけると、マーティスが振り向いて手を上げた。

「あ、来た来た。座ってー。まずは一杯楽しもうよ」

ニーナは首をかしげた。

(今日はお茶会に呼ばれたんだったっけ……?)

「本日はお招きいただきありがとうございます」

それでも丁寧に挨拶をすると、和やかな雰囲気のお茶会がスタートした。

ニーナとフェルディナンドは時折顔を見合わせて、(この状況は一体……?)と心を通わせた。

「そういえば、今宵のパーティーにルティシアの王子を招待した。聖女も婚約者としてついてくるようだ。お前たちもどうだ?」


皇帝は「このお茶、美味いだろう?」と同じテンションでそう言った。


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