国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
ニーナは立ち上がると、ぽんぽんと膝についた土を払った。
そしてフェルディナンドの腕を取る。

彼を立ち上がらせ、膝の土も同じように払ってやると、しっかりとダークブルーの瞳を見つめた。

「何が起こるか分からないけど、私達二人一緒なら大丈夫だと思わない? 私はルティシアで何が起きてるか知りたいの。瘴気の秘密を知りたいの。利用されてもいいわ。こっちも利用しちゃえばいいんだから!」

フェルディナンドはしばらくニーナを見つめていたが、小さくため息をつくと、小さく頷いた。

「……分かったよ。ニーナは強いね」

眉をへにゃりと下げてフェルディナンドが微笑む。

「年の功かしら。フェルのお父様よりも、うんと長生きなんですからね」

ニーナはフェルディナンドの手を取って、もと来た道を歩き始めた。

「なんだか昔の記憶のあるニーナと話すのは……こう、変な感じがするな。あんな姿を見せたし……忘れてくれ」

フェルディナンドのふにゃふにゃとした姿が珍しく、思わず笑いがこみ上げてくる。

「今も昔も良い男よ。これからもよろしくね、師匠!」



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