国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
(一番近くにいてるれる人を悲しませたくない。気にかけてくれるフェルのために、自分を大事にしよう)

フェルの胸の中で反省をしていたニーナだったが、少しずつ冷静さが戻ってきた。

(あれ? さっき……フェルに口づけ……された? あれ? え!?)

ニーナの頭に先程の場面がフラッシュバックする。

「ご、ごめんなさい!!」

ニーナはフェルディナンドを思い切り押しのけた。

「どうかした?」
「えっと……なんでもないの。ごめんなさい時間をとってしまったわ。私もそろそろ行かないと。あっ、薬を煎じないと! 今飲んじゃったし……」

ペラペラと口を動かしながら、ニーナはカッと身体が熱くなるのを感じていた。

「何言ってるの? 僕がやるから。ニーナは休むの! さっきのお説教、聞いてたよね?」
「そ、そそ、そうだったわ」
「だったら、すぐ寝室に行くこと」
「はいっ!」

ニーナは即座に返事をすると、急いで自室へと向かった。

その後ろではフェルディナンドが微笑んでいることも知らずに。



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