国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
大司教は他の二人とは違い、穏やかな表情をしている。
(大司教様って、いつもしかめっ面をしていた気がするけど、こんな顔も出来たのね)
ルティシアから来た三人の中で、彼だけがまともに皇帝の話を聞いてきた。
「我が国一丸となって対応策を講じていた時、パーティーに訪れたルティシア国の王子は『お困り事がございましたら何なりと仰ってください。必ず聖女が解決いたします』と挨拶してきた。まるで我らの困り事を知っているかのような口ぶりだ。我が国の問題はどこにも漏らしていないはずなのに」
皇帝の勿体ぶった言い方に、大司教は不思議そうに首を傾げた。
「おや、極秘の内容だったのですか? おかしいですね……ルティシアでは大変な噂になっておりましたよ? 『帝国に瘴気が発生した。神の怒りだ』と」
「はははははっ、神の怒りを買ったのはルティシアだろう。聖女が使えなくなったのが、その証拠! むしろ瘴気問題を解決出来た我らは、神から愛されてると思わんか?」
皇帝が獰猛に、そして楽しそうに言うと、アレクサンドロスがいきなり立ち上がった。
「わ、罠だったんだ! おかしいと思った! 俺は嵌められたんだ! ニーナ・バイエルンを追放させるところから、全て! 帝国の策略だったんだろう!? お、おいっ、ニーナ・バイエルン! 俺達は同じ被害者だ! 俺を……俺を助けてくれ!」
(大司教様って、いつもしかめっ面をしていた気がするけど、こんな顔も出来たのね)
ルティシアから来た三人の中で、彼だけがまともに皇帝の話を聞いてきた。
「我が国一丸となって対応策を講じていた時、パーティーに訪れたルティシア国の王子は『お困り事がございましたら何なりと仰ってください。必ず聖女が解決いたします』と挨拶してきた。まるで我らの困り事を知っているかのような口ぶりだ。我が国の問題はどこにも漏らしていないはずなのに」
皇帝の勿体ぶった言い方に、大司教は不思議そうに首を傾げた。
「おや、極秘の内容だったのですか? おかしいですね……ルティシアでは大変な噂になっておりましたよ? 『帝国に瘴気が発生した。神の怒りだ』と」
「はははははっ、神の怒りを買ったのはルティシアだろう。聖女が使えなくなったのが、その証拠! むしろ瘴気問題を解決出来た我らは、神から愛されてると思わんか?」
皇帝が獰猛に、そして楽しそうに言うと、アレクサンドロスがいきなり立ち上がった。
「わ、罠だったんだ! おかしいと思った! 俺は嵌められたんだ! ニーナ・バイエルンを追放させるところから、全て! 帝国の策略だったんだろう!? お、おいっ、ニーナ・バイエルン! 俺達は同じ被害者だ! 俺を……俺を助けてくれ!」