国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「もう暗いから送るよ。宿はどこにとっているの?」
「まだ決めてなくて……。今から近くの宿屋をあたろうと思うんだけど」
フェルディナンドは少し考え込んだ後、ニーナを引き寄せた。
顔が近づき、フェルディナンドの美しい顔がよく見える。
(何? そんな綺麗な顔を近づけないで!)
ニーナの頬がほんのり赤く染まる。
フェルディナンドは気にしていない様子で、ふっと微笑んだ。
「それなら落ち着くまでここにいたら良い。部屋ならたくさん余っているから」
「そ、そんなの悪いわ」
「構わないよ。ここは一人では広すぎる。だから誰かいてくれた方がありがたい。部屋は使わないと、すぐに悪くなってしまうだろう?」
「そうかもしれないけど……」
ニーナにとって非常にありがたい申し出だった。けれど疑念が浮かぶ。
「なぜそんなに親切にしてくれるの? フェルは……大賢者様は、ルティシアが嫌いだって聞いたわ。私はルティシア出身なのよ?」
疑問を投げかけるニーナに、フェルディナンドは不思議そうな顔を向けた。
「分からない? では、ニーナはなぜ人々を助けていたの?」
質問で返されたニーナは言葉に詰まる。
人助けをする理由など考えたことがなかったから。
「それは聖女だったからで……」
「僕を訪ねて来た時、人を救いたいと言ったね。もう聖女ではないのに」
「それはそうだけど……」
「貴女のその姿勢に感銘を受けたんだ。出身は関係ないことだよ」
そう言われては断る理由もない。ニーナは賢者の塔でお世話になることになった。
(誰かに助けてもらうのって、なんだかムズムズする……変な感じね)
「まだ決めてなくて……。今から近くの宿屋をあたろうと思うんだけど」
フェルディナンドは少し考え込んだ後、ニーナを引き寄せた。
顔が近づき、フェルディナンドの美しい顔がよく見える。
(何? そんな綺麗な顔を近づけないで!)
ニーナの頬がほんのり赤く染まる。
フェルディナンドは気にしていない様子で、ふっと微笑んだ。
「それなら落ち着くまでここにいたら良い。部屋ならたくさん余っているから」
「そ、そんなの悪いわ」
「構わないよ。ここは一人では広すぎる。だから誰かいてくれた方がありがたい。部屋は使わないと、すぐに悪くなってしまうだろう?」
「そうかもしれないけど……」
ニーナにとって非常にありがたい申し出だった。けれど疑念が浮かぶ。
「なぜそんなに親切にしてくれるの? フェルは……大賢者様は、ルティシアが嫌いだって聞いたわ。私はルティシア出身なのよ?」
疑問を投げかけるニーナに、フェルディナンドは不思議そうな顔を向けた。
「分からない? では、ニーナはなぜ人々を助けていたの?」
質問で返されたニーナは言葉に詰まる。
人助けをする理由など考えたことがなかったから。
「それは聖女だったからで……」
「僕を訪ねて来た時、人を救いたいと言ったね。もう聖女ではないのに」
「それはそうだけど……」
「貴女のその姿勢に感銘を受けたんだ。出身は関係ないことだよ」
そう言われては断る理由もない。ニーナは賢者の塔でお世話になることになった。
(誰かに助けてもらうのって、なんだかムズムズする……変な感じね)