国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
3.小さな困りごと
フェルディナンドとともに賢者の塔で暮らし始めてから、一週間が経った。
(最初はどうなることかと思ったけど……なんだか居心地が良いわ)
塔に来た翌日なんて、ニーナはフェルディナンドが起こしに来るまですやすやと眠っていたのだ。
『起こすのが申し訳なかったんだけど……ご飯が冷めるのも申し訳なくて……』
と言われた時には顔から火が出そうだった。
それでも二日三日経つ頃には、ニーナもリラックスして暮らせるようになっていた。
朝起きて、フェルディナンドとともに朝食をとり、本を読んで過ごす。時折分からないところを教えてもらいながら、知識を蓄える。昼食以降も同様で、ずっと塔の中で過ごす。
穏やかな毎日だった。
「ニーナ、今日は薬草を買いに行こう」
「薬草……どこか具合でも悪いの?」
いつものように本を読んでいたニーナは心配そうにフェルディナンドを見た。
彼は首を振ると、ニーナの読んでいた本を指す。そこには沈痛剤となるチリカという植物について書かれていた。
「そろそろチリカの葉が出回る時期だからね。買って保存しておくとなにかと便利なんだ」
「なるほど……マナン草とよく似た作用なのね。血止めにも使えそう」
ニーナの呟きにフェルディナンドは楽しそうに頷いた。
「その通り。よく分かったね。他の薬草と調合すると色々な効能が得られるんだ。買ってきたら実際にやってみようか」
「ええ。楽しみだわ!」
(最初はどうなることかと思ったけど……なんだか居心地が良いわ)
塔に来た翌日なんて、ニーナはフェルディナンドが起こしに来るまですやすやと眠っていたのだ。
『起こすのが申し訳なかったんだけど……ご飯が冷めるのも申し訳なくて……』
と言われた時には顔から火が出そうだった。
それでも二日三日経つ頃には、ニーナもリラックスして暮らせるようになっていた。
朝起きて、フェルディナンドとともに朝食をとり、本を読んで過ごす。時折分からないところを教えてもらいながら、知識を蓄える。昼食以降も同様で、ずっと塔の中で過ごす。
穏やかな毎日だった。
「ニーナ、今日は薬草を買いに行こう」
「薬草……どこか具合でも悪いの?」
いつものように本を読んでいたニーナは心配そうにフェルディナンドを見た。
彼は首を振ると、ニーナの読んでいた本を指す。そこには沈痛剤となるチリカという植物について書かれていた。
「そろそろチリカの葉が出回る時期だからね。買って保存しておくとなにかと便利なんだ」
「なるほど……マナン草とよく似た作用なのね。血止めにも使えそう」
ニーナの呟きにフェルディナンドは楽しそうに頷いた。
「その通り。よく分かったね。他の薬草と調合すると色々な効能が得られるんだ。買ってきたら実際にやってみようか」
「ええ。楽しみだわ!」