国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「フェルの足手まといになりたくない。役に立ちたいと思っただけなの。だから、もう頭を上げて。一緒に帰りましょう! フェルが案内してくれないと、私はこのお城から出られないわ」
「……はははっ、そっか。じゃあ道案内は僕に任せて」

ようやく顔を上げたフェルディナンドは、スッキリとした顔で笑っていた。

「ニーナちゃーん、お疲れ様。見ていてとっても面白かったよー。三日後に使いの者を出すから、二人とも探索の用意をしておいてね」

帰り際、遠くにいるマーティスに声をかけられた。

「分かりました。よろしくお願いいたします」

ニーナが大声で返事をすると、マーティスはヤンとともに帰っていった。

「フェル、今日はいっぱい買い物してきたの。帰ったら美味しいご飯を作って、のんびりしましょうよ。浄水が上手くいったお祝いがしたいわ!」
「そうしようか。今日はご馳走にしよう」

二人は用意されていた場所に乗り込むと、ご飯のメニューについて熱心に話し合ったのだった。



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