孤独な未来を照らす悪役令嬢の優しき運命

『い、いえ、何もありません！！』

そのあと私は大きな食堂で朝食を食べた
流石令嬢だ、父親も母親も厳しそうな人だった。

そして私は部屋に戻りノートにゲームの内容を記すことにした。
勿論日本語で、不思議なものでこっちの世界の言葉や文字は全然違うのに意味が分かる。変な感じはするが…
確かルカは完璧な令嬢だ。
そして婚約者がクララの事を好きになりその嫉妬でクララをいじめていたはず、
『ん？私がクララを虐めなければ済む話じゃない？』

そもそも婚約者とか嫌なんだけど、、、
まぁとりあえず私が今8歳だ。
クララと私が会うのは16の魔法学校に入学する時だ。
それまでに私は一体何をすればいいのだろうか。

私はゲームをクリア出来ていない。

少なくとも登場キャラについて覚えている事を全て書こう。

『まさか本当にこんな事になるなんて…』

私はふと思ってしまった

『そういえばこの世界には魔法があったはず、って事は私にも使えるってことよね！！』

ルカの魔法は……







特殊属性の氷だ。
ゲームではクララへの嫉妬で学校中を氷漬けにしてしまうルートもあった。

思い立った私は誰にも止められない！
部屋の扉を飛び出し広い広い庭に出た。

『本当に金持ちなんだな…』

こんな場所私が一生働いても敷地に入ることすら許されないだろうな。

『んーどうやって魔法を使うんだろう？』

思いっきり力を入れたりしたが私からは何も出なかった。
そのあとメイドさんに聞いてみたが、酷く驚いている顔をしていた。

ルカ・ヴァルハイムは完璧な令嬢とか言われているけど中身がダメだと意味がないってことか…

いいのは見た目だけって感じ…


「ねぇお嬢様一体どうなされたの？」

「さぁ？なんだか最近は明るくなられたというか私たち使用人に気をかけて下っているような」

「ルカ様って3日ぐらい前から別人見たいよね」

「そういえば今日はお茶会らしいわよ
皆さん驚かれるでしょうね」



『つ、疲れる…』


なんで皆こんなにも話しかけてくるのよ！！
お茶会って言うからもっと紅茶とかお菓子とか食べながらゆっくり話したりするものだと思っていたのに…
ゆっくり食べる時間なんて全然ないじゃない
やっと解放された。


「ルカさんってあんな感じだったかしら？」

「きっと媚びを売っているだけよ」

ルカに聞こえないところでこんな会話もあった。


それにしても、
『ドレスって大変なのね』

口調もお嬢様風に頑張ってはいるが時々抜けてしまう。でも敬語でいくのなら私にだって出来る。これでも一社会人として生きてきたんだから！！