もう一度あなたと
あれから、会議室に移動すればすでに日向はもう来ていて、そこには秘書らしい男性も一緒だった。一番上座に静かに座っているだけだが、空気がピリッとする気がする。私と加奈先輩で資料を配り、プロジェクターに移す資料をパソコンで操作をしつつ、神代さんが説明していく。
「それでは弱いですね。ここのセキュリティの長所をもう少しきちんと説明できますか?」
間髪入れず、的確な指示が日向から飛ぶ。初めは緊張していた神代さんたちだが、次第に日向の熱に引っ張られ、白熱した討論へと変わっていく。いつの間にか時間が経つことも忘れ、私たちは討論をしていた。
「こんな時間か。申し訳ない。休憩を入れようか」
日向が高級そうな腕時計にちらりと視線を向けた後、ペットボトルに手を伸ばした。
「東雲、お前はもう上がれ」
「え?」
神代さんのセリフに私は、キーボードを打つ手を止めた。
「副社長。東雲だけ上がらせていいですか? 彼女は今時短勤務中なんで」
「ああ、もちろん」
私は確かに今、産後ということで時短勤務をさせてもらっている。しかし、今この場でそれ以上の話題はして欲しくなかった。
「いえ、あの。大丈夫です」
「それでは弱いですね。ここのセキュリティの長所をもう少しきちんと説明できますか?」
間髪入れず、的確な指示が日向から飛ぶ。初めは緊張していた神代さんたちだが、次第に日向の熱に引っ張られ、白熱した討論へと変わっていく。いつの間にか時間が経つことも忘れ、私たちは討論をしていた。
「こんな時間か。申し訳ない。休憩を入れようか」
日向が高級そうな腕時計にちらりと視線を向けた後、ペットボトルに手を伸ばした。
「東雲、お前はもう上がれ」
「え?」
神代さんのセリフに私は、キーボードを打つ手を止めた。
「副社長。東雲だけ上がらせていいですか? 彼女は今時短勤務中なんで」
「ああ、もちろん」
私は確かに今、産後ということで時短勤務をさせてもらっている。しかし、今この場でそれ以上の話題はして欲しくなかった。
「いえ、あの。大丈夫です」