もう一度あなたと
 その声は震えている気がして、私には日向の気持ちを測りかねる。いきなり言われたその言葉に何を思っているのだろう。今は冷静に話せる気がしないし、瑠香の事だけを考えたい。
「今日は帰って。今は瑠香のことだけを考えたいの」
 瑠香という言葉を出した瞬間、日向は私を離す。

「わかった。今日は帰る。でも……」
 その後、何か言いたそうだったが、日向は瑠香の枕元へと近づいて行った。そして無言で数分瑠香を見つめ、小さな手に自分の薬指を絡ませていた。
「瑠香……いい名前だな」
 そう呟いて、日向は私をまっすぐに見た。
「今は何を言っても許してもらえないと思う。でも、忘れないで。彩華と瑠香はこれからは俺が守るから」
「日向……」
「それだけは俺は譲らない」
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