もう一度あなたと
 日向がこの数年、本当に努力を重ねてくれていたようで、日向の実家にご挨拶に伺うと、否定的なことを言われることなく、私と瑠香を迎えてくれた。
そして、お義父様は瑠香を溺愛している。
「日向もよく似合ってるよ」
 日向はシルバーのタキシード姿で、モデル体型の彼はとてもよく似合っている。
 そんな私はサテンにレースをふんだんに使った美しいAラインのドレスを着ている。贅沢にも本宮御用達のドレスサロンでフルオーダーで作ってもらったものだ。私はレンタルでいいと言ったのに、日向は絶対に作るといってきかなかったのだ。
 そのため、自分で言うのもなんだが、ジャストサイズでとてもスタイルがよく見える気がする。
「お時間です」
 担当のプランナーの声に、日向は私に手を伸ばす。そしてその手を取り私は立ち上がった。
 チャペルの前で両親に会えば、母はすでに泣きそうな表情をしている。
「本当によかったね。彩華」
「うん、ありがとう。そしてこれからもよろしくね」
 チャペルの扉が開けられ、母にベールをおろしてもらい、私は父の手を取った。
「幸せになるんだぞ」
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