離婚前提の妻でも溺愛されています

「大丈夫? 怖くないか?」

蒼真は里穂の身体に覆い被さり、甘い声でささやいた。

彼女の額に貼りついた髪を指先でそっと梳く。

里穂は蒼真の目を自信なさげに見つめ返しながら、うなずいた。

「怖いというよりも、心配です。うまくできるのかどうか」

か細い声で答える里穂の愛らしい反応に、蒼真は小さく息をのむ。
 
すでになにも身につけていない里穂の華奢な身体はしっとり汗ばんでいて、蒼真を誘うように艶めいている。
 
キスを何度か交わしただけで色白の頰はあっという間に紅潮し、全身は桜色に変化した。

「きれいだ」
 
我慢できないとばかりにこぼれ落ちた蒼真の言葉に、里穂の頰がさらに赤みを帯びた。
 
途端に恥じらうように視線を逸らし、羞恥に耐えつつ蒼真から注がれる熱い眼差しを全身で受け止めている。
 
どこか艶美な動きは破壊力抜群で、蒼真の身体はあっという間に熱くなる。
 
甘い吐息が漏れるのを抑えられず、下半身に集まる熱が蒼真の思考をかき乱す。

「蒼真さん」
 
いよいよ照れくささに耐えられなくなったのか、里穂は手を伸ばし、頭の横に置かれた蒼真の腕を摑んだ。
 
細く形のいい指先から、里穂の体温が蒼真の肌にじわりと染み入っていく。

体温だけでなく蒼真を求める里穂の熱情が注がれるような感覚が広がって、蒼真の身体は大きく震えた。

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