離婚前提の妻でも溺愛されています
第六章 甘やかされて落ち込んで
第六章 甘やかされて落ち込んで 


翌朝、蒼真の腕の中で目覚めた里穂は、一瞬で昨夜のことを思い出した。

蒼真の目に宿った荒々しい光や苦しげに寄せられた眉。

そして里穂の身体の深い場所に熱を注いだ瞬間、部屋に響いたくぐもった声。

蒼真の口から出たとは思えない猛々しい声は、今もはっきり耳に残っている。

里穂の秘められた場所に蒼真が触れるたび、背中を心地よさが駆け上がり「もっと……」と熱に浮かされたように口走りながら腰を動かしていたことまで。

「や……」

あまりにも淫らな自分が恥ずかしくて、思わず声が漏れる。
 
初めてだというのに少しも拒むことなく蒼真のすべてを受け入れ、それどころか快感を追いかけるように積極的に求めていた。
 
唇が重なるたび蒼真に教えられたとおりに舌を絡め、胸をまさぐる蒼真の手の動きに合わて胸を差し出し身体を揺らす。

初めての自分が蒼真を満足させられたのか自信はないが、互いの身体が繋がり里穂の奥に熱が注がれる瞬間の蒼真の顔は、荒い呼吸を繰り返しながらも満ち足りているように見えた。

普段の落ち着いた蒼真はもちろん紳士的でカッコいいが、我が物顔で里穂に強引に迫る蒼真も悪くなかった。

というよりかなりときめいた。

けれど、里穂が覚えているのはそこまでだ。

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