離婚前提の妻でも溺愛されています
店の改装費用を素直に借りることにした佳也子も、さすがに今回ばかりは気が引けるのか、遠慮している。
「返済ならいつでもいいとお伝えしたはずです。それに最初から自宅部分の費用が加わることも織り込み済みです。だから金額のことは二の次で、気に入ったものを選んで下さい」
「ですが、そこまで甘えるわけにはいきません」
後に引こうとしない佳也子に、蒼真は苦笑しチラリと里穂に視線を向ける。
「甘えるというなら、僕の方が里穂さんに甘えているんです。正直、今も彼女に負担をかけていることがありますし、彼女自身、不安に感じていることもあると思います」
「それは……」
常務と麗美のことだ。
目を開いた里穂に、蒼真は小さくうなずいた。
「僕の立場を考えて気を使わせてしまうことも多いですし、この先も面倒なことに巻き込む時があると思います。だから、僕の方が彼女に甘えているんです。そのお詫びではないですが、気に入ったものを選んで下さい」
「それは違います」
蒼真の言葉に納得できず、里穂は声をあげた。
「蒼真さんは甘えるどころか私のためにいつも気を配ってくれていて、私の方が蒼真さんに甘えて、頼ってばかりじゃないですか」
改装の件では費用の面でも工事の面でもすべて蒼真に背負わせてしまって、心苦しいくらいだ。
「返済ならいつでもいいとお伝えしたはずです。それに最初から自宅部分の費用が加わることも織り込み済みです。だから金額のことは二の次で、気に入ったものを選んで下さい」
「ですが、そこまで甘えるわけにはいきません」
後に引こうとしない佳也子に、蒼真は苦笑しチラリと里穂に視線を向ける。
「甘えるというなら、僕の方が里穂さんに甘えているんです。正直、今も彼女に負担をかけていることがありますし、彼女自身、不安に感じていることもあると思います」
「それは……」
常務と麗美のことだ。
目を開いた里穂に、蒼真は小さくうなずいた。
「僕の立場を考えて気を使わせてしまうことも多いですし、この先も面倒なことに巻き込む時があると思います。だから、僕の方が彼女に甘えているんです。そのお詫びではないですが、気に入ったものを選んで下さい」
「それは違います」
蒼真の言葉に納得できず、里穂は声をあげた。
「蒼真さんは甘えるどころか私のためにいつも気を配ってくれていて、私の方が蒼真さんに甘えて、頼ってばかりじゃないですか」
改装の件では費用の面でも工事の面でもすべて蒼真に背負わせてしまって、心苦しいくらいだ。