俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
第七章 愛してると伝えたい
第七章 愛してると伝えたい 

翌朝、リビングから聞こえてきた物音で目を覚ました里穂は、急いでベッドから降り寝室を飛び出した。

昨夜は蒼真のことが気になりベッドに入ってもなかなか寝付けなかったが、明け方ようやく眠りについたようだ。

リビングを覗くと、蒼真がソファの背に身体を預け目を閉じていた。

声をかけようかどうか迷いながら、里穂はリビングに足を踏み入れた。

「蒼真さん?」
 

そっと声をかけると、蒼真はピクリと身体を震わせ、目を開いた。
「大丈夫ですか?」 
 
目の下にクマをつくり明らかに疲れている。

里穂は蒼真の隣に腰を下ろした。

「今帰ってきたんですか?」

「ああ、悪い。起こしたな」

「そんなこと大丈夫です。それよりどうしたんですか? 昨夜はいきなり帰ってこないって……心配しました」

そう口にした途端、里穂は沙耶香の肩を抱き寄せエレベーターに乗り込んだ蒼真の姿を思い出した。

「里穂?」

「いえ、なんでもないんです」
 
昨日のことが気になりつい目を逸らした。

「昨夜は悪かった。もっと早く連絡できればよかったんだが……」

「蒼真さん?」

ふと蒼真の言葉が途切れ、里穂はためらいがちに視線を向けた。
 
切なげに顔を歪めた蒼真と目が合い、小さく息をのんだ瞬間。

「悪い。少しだけこのままで」
 
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