俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
「結婚相手なら、私より適任の女性はたくさんいると思います。それこそ杏華堂のこれからに役に立てるような……。だからやっぱり私には無理――」
「恭太郞たちのためでもあるんだ」
蒼真は身を乗り出し言葉を重ねた。
それに、今までの丁寧な口ぶりから一変、ひどく砕けている。
「それって、どういう」
里穂は首をかしげた。
「この間最後まで話せなかったが。笹原が恭太郞のプロポーズを断った話だ」
「そのことなら、私も気になってました」
里穂も身を乗り出した。初めてその話を聞いた時から気になっていたが、なかなか切り出せずにいたのだ。
蒼真は里穂を気遣うような表情を見せたあと、再び口を開いた。
「笹原は君に店を押しつけたことを引け目に感じていて、君が幸せな結婚をしたあとじゃないと、結婚しないつもりらしい」
「雫……」
里穂は息をのみ、うなだれた。
雫が店を里穂におしつけたと思い込み引け目に感じていることには気づいていたが、そこまで思いつめているとは思わなかった。
「私は家族と一緒にいられるだけで幸せなのに」
結婚してもしなくても、間違いなく今、幸せだ。
「恭太郞は笹原が結婚する気になるまで待つとあっけらかんと言っているが、俺はあいつに早く幸せになってほしい」
熱がこもる蒼真の声に、里穂は顔を向けた。
「恭太郞たちのためでもあるんだ」
蒼真は身を乗り出し言葉を重ねた。
それに、今までの丁寧な口ぶりから一変、ひどく砕けている。
「それって、どういう」
里穂は首をかしげた。
「この間最後まで話せなかったが。笹原が恭太郞のプロポーズを断った話だ」
「そのことなら、私も気になってました」
里穂も身を乗り出した。初めてその話を聞いた時から気になっていたが、なかなか切り出せずにいたのだ。
蒼真は里穂を気遣うような表情を見せたあと、再び口を開いた。
「笹原は君に店を押しつけたことを引け目に感じていて、君が幸せな結婚をしたあとじゃないと、結婚しないつもりらしい」
「雫……」
里穂は息をのみ、うなだれた。
雫が店を里穂におしつけたと思い込み引け目に感じていることには気づいていたが、そこまで思いつめているとは思わなかった。
「私は家族と一緒にいられるだけで幸せなのに」
結婚してもしなくても、間違いなく今、幸せだ。
「恭太郞は笹原が結婚する気になるまで待つとあっけらかんと言っているが、俺はあいつに早く幸せになってほしい」
熱がこもる蒼真の声に、里穂は顔を向けた。