離婚前提の妻でも溺愛されています
「とはいっても資金繰りとかまだまだ考えないといけないことばかりで……あ、すみません。それは今関係ないですね」
里穂は慌てて話を区切る。
店のことは家族の問題だ。
小山のことで手を煩わせた蒼真に、また心配をかけたくない。
「改装か……」
蒼真はふと黙り込み、うつむいた。
「蒼真さん?」
「ああ、悪い」
蒼真は顔を上げ、口を開いた。
「俺に店の改装費用を出させてもらえないか?」
里穂は動きを止め、ぽかんとする。
「あの、冗談ですよね」
蒼真は軽く首を横に振る。
「この前も力になれるかもしれないと言ったと思うが、実は伯父が建設会社をやってるんだ。だからそこに改装を依頼すればいい。その費用は俺が全額用意する。もちろん改装後も今までどおり君が店を続ければいい」
「全額用意って、それはちょっと……」
蒼真が突然なにを言い出したのか、訳がわからない。
「き、桐生さんに費用を出していただく理由はないですし、現実的な話ではないですよね」
動揺を抑えながら、里穂は答えた。
「でも、お気持ちだけいただいておきます。ありがとうございます」
頭を下げる里穂に、蒼真はクスリと笑った。
「お気持ちだけって、欲がないんだな」
「あの?」
里穂は慌てて話を区切る。
店のことは家族の問題だ。
小山のことで手を煩わせた蒼真に、また心配をかけたくない。
「改装か……」
蒼真はふと黙り込み、うつむいた。
「蒼真さん?」
「ああ、悪い」
蒼真は顔を上げ、口を開いた。
「俺に店の改装費用を出させてもらえないか?」
里穂は動きを止め、ぽかんとする。
「あの、冗談ですよね」
蒼真は軽く首を横に振る。
「この前も力になれるかもしれないと言ったと思うが、実は伯父が建設会社をやってるんだ。だからそこに改装を依頼すればいい。その費用は俺が全額用意する。もちろん改装後も今までどおり君が店を続ければいい」
「全額用意って、それはちょっと……」
蒼真が突然なにを言い出したのか、訳がわからない。
「き、桐生さんに費用を出していただく理由はないですし、現実的な話ではないですよね」
動揺を抑えながら、里穂は答えた。
「でも、お気持ちだけいただいておきます。ありがとうございます」
頭を下げる里穂に、蒼真はクスリと笑った。
「お気持ちだけって、欲がないんだな」
「あの?」