俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
第三章 記念日にはシュークリーム
第三章 記念日にはシュークリーム
五月初め。
結婚の挨拶をするために、ささはら二階の自宅に蒼真が訪れていた。
これまで蒼真が一階の店舗に食事に来ることはあっても自宅に招くのは初めてで、里穂は朝から緊張していた。
今も座卓を挟んで向かい合う佳也子と雫を前に落ち着かず、トクトクとうるさい心臓の音が佳也子たちに聞こえないかとドキドキしている。
そしてふたりに噓がばれないかとどうしようもなくひやひやしている。
「突然のことで驚かれたと思いますが、里穂さんとの結婚を考えています。お許しいただけないでしょうか」
里穂と違い、蒼真は落ち着いた様子で佳也子たちにそう言って、頭を下げた。
隣の里穂も、慌てて頭を下げる。
いよいよ始まったとさらに緊張しながら、膝の上に置いた手をぐっと握りしめた。
「驚くどころじゃないわ。なにも聞いていないからわけがわからなくて、まだ信じられないわよ」
困惑している佳也子の声に、里穂はゆっくりと顔を上げた。
途端に佳也子の隣で様子をうかがっている雫と目が合い、曖昧に微笑んで見せた。
数日前に蒼真と結婚すると伝えたものの、雫は今までそんな素振りひとつ見せなかったふたりの結婚に違和感を覚えたようで、今も訝かしげな表情で蒼真の話を聞いている。
「お母さんがそう思うのは当然です。私自身、里穂さんと結婚するつもりはなかったんです」
五月初め。
結婚の挨拶をするために、ささはら二階の自宅に蒼真が訪れていた。
これまで蒼真が一階の店舗に食事に来ることはあっても自宅に招くのは初めてで、里穂は朝から緊張していた。
今も座卓を挟んで向かい合う佳也子と雫を前に落ち着かず、トクトクとうるさい心臓の音が佳也子たちに聞こえないかとドキドキしている。
そしてふたりに噓がばれないかとどうしようもなくひやひやしている。
「突然のことで驚かれたと思いますが、里穂さんとの結婚を考えています。お許しいただけないでしょうか」
里穂と違い、蒼真は落ち着いた様子で佳也子たちにそう言って、頭を下げた。
隣の里穂も、慌てて頭を下げる。
いよいよ始まったとさらに緊張しながら、膝の上に置いた手をぐっと握りしめた。
「驚くどころじゃないわ。なにも聞いていないからわけがわからなくて、まだ信じられないわよ」
困惑している佳也子の声に、里穂はゆっくりと顔を上げた。
途端に佳也子の隣で様子をうかがっている雫と目が合い、曖昧に微笑んで見せた。
数日前に蒼真と結婚すると伝えたものの、雫は今までそんな素振りひとつ見せなかったふたりの結婚に違和感を覚えたようで、今も訝かしげな表情で蒼真の話を聞いている。
「お母さんがそう思うのは当然です。私自身、里穂さんと結婚するつもりはなかったんです」