離婚前提の妻でも溺愛されています
「お母さんや笹原と離れて寂しいとは思うが、これからは俺が家族として里穂の側にいる。それでも寂しい時には、そうだな」
蒼真はふと思いを巡らせ、そして柔らかな表情を浮かべた。
「ふたりで一緒にシュークリームを食べようか」
(蒼真side)
『俺たちのおすすめシュークリーム、絶品だっただろ?』
恭太郞からスマホに届いたメッセージを眺めながら、蒼真は「そうだな」とつぶやいた。
数日前、結婚記念日となる里穂の引っ越しの日に、なにか記念の品を用意したいと相談すると。
『シュークリーム一択っ』
恭太郞と雫からそろって勧められたのは、ささはら近くにある老舗洋菓子店の看板商品だというシュークリームだった。
家族の記念日やお祝い事がある時には必ず食べている、笹原家にとっての特別なスイーツ。
聞けば誕生日にもケーキではなくシュークリームを用意しているらしい。
ここ最近はそこに恭太郞が加わることが増えたので、笹原家のシュークリームの消費量は爆上がりだと、恭太郞は的はずれな自慢をしていた。
恭太郞の中では自分はすでに笹原家の一員。
節目のイベントに参加できるのがうれしいに違いない。
ふたりからの提案は大当たりで、里穂はシュークリームが入っている箱を見ただけで大喜びしていた。
蒼真はふと思いを巡らせ、そして柔らかな表情を浮かべた。
「ふたりで一緒にシュークリームを食べようか」
(蒼真side)
『俺たちのおすすめシュークリーム、絶品だっただろ?』
恭太郞からスマホに届いたメッセージを眺めながら、蒼真は「そうだな」とつぶやいた。
数日前、結婚記念日となる里穂の引っ越しの日に、なにか記念の品を用意したいと相談すると。
『シュークリーム一択っ』
恭太郞と雫からそろって勧められたのは、ささはら近くにある老舗洋菓子店の看板商品だというシュークリームだった。
家族の記念日やお祝い事がある時には必ず食べている、笹原家にとっての特別なスイーツ。
聞けば誕生日にもケーキではなくシュークリームを用意しているらしい。
ここ最近はそこに恭太郞が加わることが増えたので、笹原家のシュークリームの消費量は爆上がりだと、恭太郞は的はずれな自慢をしていた。
恭太郞の中では自分はすでに笹原家の一員。
節目のイベントに参加できるのがうれしいに違いない。
ふたりからの提案は大当たりで、里穂はシュークリームが入っている箱を見ただけで大喜びしていた。