SECOND♢HERO
とくにお酒を飲むと手を付けられないらしい。

殴る蹴るは当たり前、暴言もひどいらしい。

「わたしがいるから、幸せになれないって。お父さんのことも医者だし顔もかっこいいから結婚したのに、こんなコブ付きだったなんて最悪だって…」

そう言って話す先輩の目には涙が浮かんでいた。

「お父さんには、話さないんですか?」

すると先輩は首を横に振る。

「これ以上心配かけたくないの。お父さんはきっと、わたしが美佳さんのことを話したら、きっと離婚すると思う。でもお父さんはそれじゃ幸せになれない。お父さんが私に幸せをくれたように、私もお父さんには幸せになって欲しいから。」

だけど、それじゃあ花恋先輩の気持ちは?

「先輩の気持ちはどうなるんですか?」

悲しいことや辛いことを抱えて、頑張ってきた先輩の気持ち。

「先輩が幸せじゃなきゃ、きっとお父さんだって嬉しくないですよ。それじゃあなんの意味もないですよ!」
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