カルテとコーヒー
オンライン授業が終わって、
南とは明日から一緒に講義を受ける
約束をして電話を切った。
さて、先生に何て返信しよう…
既読をつけて、
文字を打っては消してを繰り返す。
『どうせあしらわれるならメッセージでも
攻めちゃえばいいんだって‼』
南の声が後押ししてくれる気がした。
"ありがとうございます"
"早く先生に会いたいです"
思い切って送ってしまった。
ふざけて言葉で言うのは簡単でも、
いざ文面で見ると緊張してしまう。
心拍が上がり、じんわりと手汗をかいて
メッセージを送るなんて
いつぶりだろうか。
あ、スタンプでも送ればよかっただろうか…?
"!"の一つでもつけておくべきだったか…?
送ってからあれこれ考えていると、
スッと既読の文字がついた。
「既読はやっ!」
思わず突っ込んで慌てて画面を閉じる。
すぐに既読がついてしまうと、
待っていたみたいで恥ずかしい。
だが、そんな恥ずかしさなんて
どうでもよくなるほどに、
秀頼からのメッセージは破壊的だった。
"俺も"
「ずるいなぁ…」
きゅんと音を立てるとは、
今みたいなことを言うのだろうか…
教えてください、先生…。