クラスの女子に対して好意を抱いてたが、告白する勇気がなくて困っていたら、友達になる? と言われたのですが。

「うおおおお」

 有言実行、完全にこのキャラが接近戦に弱いと考えている彼女に対して、不意を付けたようだ、彼女のキャラはふきとんで、そのすきに俺のキャラは広い場所に行く。有利なのはまだ俺だ。


「ハアハアこれで決める」

 彼女はまた距離を詰めようとしてくるが、俺は冷静にその攻撃をよけながら、広い場所に逃げていく。さすがにまた接近戦に持ち込ませるほど俺は馬鹿ではない。

「また逃げて、正々堂々勝負しなさいよ」

 その威勢、好きだ。普段とは違うその勝負に対する熱意、最高だ。長くこの勝負か続けばいいのにと本当にそう思う。だが、いい加減勝負をつけなければいけない。

「はあ」

 特殊能力をコントロールしてゴリラに当てて、空に浮かしてから連続で攻撃を当てる。今までは防御のことも考えながら攻撃してたが、さすがにそろそろ終わらせないといけない。短期決戦だ。

「うまく動かせない、なんで?」

 そりゃあ当たり前だ、そうさせないようにうまく攻撃しているのだから。空中に浮いたゴリラなどただのでかいサルだ。だが地面につけば俺は終わる。慎重に慎重に地面に落ちないように連続で攻撃していく。

「地面におろさせてよ!」

 作戦がうまくいっている、だがこのゲームの勝利条件は敵のキャラを場外に出すこと。この攻撃じゃあダメージを与えられるが、敵を吹き飛ばすことはできない。ならばどうするか、それは別の攻撃方法を使うのだ。

 まずは敵のゴリラををいったん落とす。すると彼女は俺のキャラを狙ってくるはずだ。

  実際に狙ってきた。だがそこで今まで繰り出してなかったハンマー攻撃を繰り出す。このキャラの唯一と言ってもいい接近してきた敵に対する攻撃方法だ。当たる可能性は低いが、一直線に向かってくる敵なら当てるのは容易だ。

「行けええええええ」

 俺は叫ぶ。そしてゴリラは吹き飛ぶ、これはさすがに俺の勝ちか?
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