クラスの女子に対して好意を抱いてたが、告白する勇気がなくて困っていたら、友達になる? と言われたのですが。

「そうなんだ、なんで?」

 彼女は聞いてきた、そんなもの決まっているし、いくらでも理由が言える。まあ理由をまとめると仲良くなれないのが怖いからということなんだけど。

「俺に勇気がないからですよ、友達作りなんて人に話しかける勇気がなかったらできないんですから」
「ふーんそっか」

 これはどっちの返事なんだ? 興味ない「そっか」なのか、それとも興味ある相槌なのかわからない。だが今はっきりとしている事実は一つ・彼女がかわいいということだ。さっきまで告白したいとか考えていたのに今は俺なんかが釣り合うわけがないということしか考えられない。それくらいかわいい。

「ならさ、有村君って友達欲しくないの?」
「もちろんほしいですよ」

 きた、俺の答えはもちろんyesだ。半端な友達はいらないが、彼女の手前どんな人とも友達になりたいというのが正解な気がする。

「じゃあさ、私と友達になる?」
「え?」

 驚きの言葉しか出てこない。まさかこんなところで霜月さんにそんなことを言われるとは思ってもいなかった。

 そんなの答えはyesしかない。ただ彼女がどう考えているのか、それがまったくもって謎であった。こんな恥ずかしがり屋で普通の返事しかできないような俺と友達になるメリットは自分でいうのも恥ずかしくなるが〇に等しいと思う。

 俺の自己評価が低いだけと言われてしまったらそれで終わりなのかもしれないが、だがこれは本当だと胸を張って言える。まあ胸を張ってはいけないと思うが。
< 3 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop