クラスの女子に対して好意を抱いてたが、告白する勇気がなくて困っていたら、友達になる? と言われたのですが。
何します? だとか言われても困る。何を言ってもダメな気がする。今は俺のホームのはずなのになぜか俺がアウェイみたいになっている。この、俺の好きな人に嫌われないように行動しなければならない。なんと難しいことだろう。
「うちの家にあるのはボードゲームぐらいだけど」
俺は相変わらず当たり障りの無いようなことを言う。もっとギャグっぽいようなことを言えたらいいのに。
「なるほど、ビデオゲームとかはあります?」
「ちょっと待ってください」
彼女はビデオゲームがしたいらしい。俺はすぐにゲームカセットを取りに行く。運がいいことにうちの家には大量のゲーム機がある。というかむしろ周りに散らばって置かれてある。これでは俺が片付けが苦手なことがばれてしまう。幻滅してないといいんだが。まあそれは置いといて、うちに大量のカセットがあるからビデオゲームをすると言うのは簡単な注文だ。
「これですこれです」
俺はこれですを二回続けて言う。言った瞬間、何を言ってんだ俺っとなったが、まあいいだろう。
「ふーん、カートレースゲームもあるし、すごろくゲームも、戦争ゲームもあるね」
彼女はそう言いながらゲームカセットを見ている。
「これとかいいんじゃない?」
彼女がそう言いながら見せてきたのは、一対一のバトルゲームだった。
「私、こういうゲームやったことないんだ」
なるほど、たしかに彼女だったらこういうゲームはしたことないだろう。何しろ彼女の口からゲームなんて言う単語なんて聞いたことないのだ。
ここからは俺の考察になるが、彼女自身こういうゲームに憧れがあったのだろう。しかし、ここで問題が出てしまう、俺自身このゲームはあんまり得意ではないのだ。何しろこのゲームは買ったはいいものの、すぐに飽きたものなのだ。もし彼女に負けてしまったらどうしよう。そんな不安が俺の心の中を支配する。