バッカスの女神様の裏話(蘊蓄がもれちゃいます)

ビールは女性化を招く?

我々はビールを飲むし、特にドイツはクラフトビールの聖地です。
さて、なぜドイツでビールが発展していったのか?

この疑問の答えも修道院の食生活にありました。
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166P 引用

1630年、パウロ会の修道士たちが、「液体のものは断食を破ることにならない」ことに気づいた。

そして彼らは「飲めるパン」ともいえるアルコール濃度7・5%の強いビールを醸造したのである。

このビールはほかのものと比べて、とくに濃厚で栄養価が高く、空腹感を紛らわすのに役立つ。
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いや、いや・・・空腹を紛らすよりすきっ腹にビールで、酔っぱらって仕事にならんのでは?

それに冬場はものすごく寒いから、体を温めるためには、強い酒が必要だったのでしょうね。
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修道院の食卓・心と体においしい秘伝のレシピ  創元社
203p引用

飲み物が発明され、洗練された歴史をみると、それがほかのどの食べ物よりもはっきりと修道院に起源をもっていることがわかる。

パウラーナ(パウロ会)フランシスカーナ(フランシスコ会)アウグスティナー(アウグスティノ会)などという名前は、いずれも世界的に有名なビールのブランドになっている。

210p
8世紀にベネディクト会士たちはこの醸造酒をもっと長持ちさせ、もっとスパイスをきかせようと試すうちに、ついにホップにたどりついた。

中略
紀元800年ごろのカール大帝の領地には醸造所を持つ修道院が500以上あり、現在ビールで名高いバイエルンだけで300はあったという。

また、817年にアーヘンで行われた修道院改革のための公会議で、ビールはキリスト教徒の「薬用飲み物」として承認され、断食日に飲むことも許されるようになった。
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なるほど、修道士たちがあくなき努力をビール開発に向けたことがよくわかりますね。

「薬用飲み物」といいながら、ガンガン飲んで「うまい!!」って叫んでいたのだろうね。

さて、なぜビールにここまで情熱をそそいだのか?
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212p引用
中世の飲用水の質が極めて悪いことにあった。
中略

水は一般にとても酸っぱく、しばしば細菌に汚染されていた。

そのため、のどの渇きを鎮めるものとして同様の醸造過程を経て有毒な微生物を殺し、どんな病気の原因にもならない飲み物が求められていたのである。
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ヨーロッパの水は硬水が多く、日本とは違う。

やはり細菌汚染が深刻だったのだろう。下水道インフラも整備されていなかっただろうし。

嗜好品というより、水の代用品に絶対必要という感覚だったのだろう。
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