ずっと君が好きだった~やっぱり好き!忘れなれない!諦められない!
就職して初めての私の担当の顧問先。
『YUKI no OYATU』
佑さんがやってる小さな町の洋菓子店。
奥様が趣味で始めたお店を奥様が亡くなった時、会社員だった佑さんが仕事を辞めて後を継いだんだ。
男手一つで佑輝君を育てて、お店を切り盛りしている。

毎月訪問するときには、いつも学校帰りの佑輝君と一緒におやつを出してくれる。
父親のいない私にとって始めは憧れの人だった。
そんな憧れる気持ちが恋心に変わるのに時間はかからなかった。

佑輝君が居なくなっても、いつものようにおやつを出したくれる。
経理の話と、近況と。
何時ものたわいない話が大好きで、仕事だと言うことを忘れてしまう。
この時間がずっと続けばそれで良い、そう思ってた。
今月もいつものように、近況報告。
「来月、佑輝が帰ってくるんだ。
まったく長期休暇も帰ってこないで…、心配してるのは親だけだね」
いつもと変わらないようだけど、やっぱり嬉しそう。

そうか、佑輝君が帰ってくるんだ。
佑さんのことはちっとも進展してないけど…、さすがに6年もたってるから、あの時のことは忘れてるだろうなぁ。

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