ヒーローの素顔は綺麗じゃない
篠宮という人
——知る由もないことを知ろうとするその危うさ。
深淵に怯えながら触れたい好奇心を止めない手。
その全てが、俺の庇護欲を掻き立て、想いをより一層加速させる。
矛盾しているのは分かっている。
可愛くて、可哀想で、愛おしい。
鳥籠の格子の存在に手が触れ気付いたとしても、その扉を俺が開けたとしても、きっと飛び立とうとはしない。
そんなことをさせないように、篠宮という人物を作ったのだから。