攻略困難恋愛。〜真面目女子の落とし方〜
なんでも本部は都心にもっと大きな会社があるらしく、このビルにあるのはひとつの部署だけらしい。

なんでこんなことを知ってるかって?

それは俺達のお得意様、四つ葉製薬の企画開発部部長である富永恵梨さんがおしえてくれたから。

「この前新入社員の子が三人入ったんだけどね、みんなかわいいのよー。」

4月になったばかりの頃、サロンにやってきた恵梨さんは嬉しそうにそう言ってたっけ。

だけど環ちゃんは俺に一ミリたりとも笑顔さえ見せない。

むしろいつも目が合うとぎろりと睨んでくる始末。

いや、それもなんか燃えるんだけどね。

好きなのか、って前に真宙に聞かれたとき、疑問を持った。

恋、ではない。

ただなんていうの?

自慢だけど(自慢なんかい!というツッコミはなしで。)、今まで女に不自由したことはなかった。

初めて彼女というものができたのは小学五年のとき。

かなりマセガキだったと思う。
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