攻略困難恋愛。〜真面目女子の落とし方〜
3最悪な朝

side環

頭が痛い。

ガンガンする。

こんな気分、初めて新入生歓迎会でお酒を飲んだ以来だ。

お酒…

はっ!

「な、なにこれ…」

目の前に広がる、知らない空間。

壁にはられてるのは、私も好きなロックバンドのポスター。

鼻をくすぐるのは甘い香水の香り。

この香り、どこかで…

「おーはよ、環ちゃん!」

その軽い声がする方を見ると、そこにいたのは上半身裸の吉崎流星。

「よく眠れた?今日は仕事あるの?俺はね、おやすみ!」

ちょっと待って。

状況がよくわからない。

目の前にある、知らない風景。

香る甘い香水の香り。

知らないベッド。

脱いだ覚えのないスーツ。

そして、目の前には上半身裸の大キライなあいつ。

「…おーい、まだ眠たいの?あっ、俺朝飯つくっちゃった!環ちゃんのためにだよ?しかも、フレンチトースト!わっ、俺って女子力高いわ!」

朝飯?

ということは、ここは吉崎流星の部屋?
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