ラグビー部夏合宿

Ⅲ.病院で

 島田は病院の受付で煌太の容態を説明すると、他の部員の指導があるということで、さっさと学校へ戻った。
 一人残った煌太は医者の診察を受ける。
 医者は簡単に診察をすると盲腸の検査をするようにと指示を出した。
 やっぱり盲腸か…煌太の不安は募る。
 検査を担当する若い女性の看護師が現れた。胸に『北条亜美』という名札をつけている。
 目が丸くて可愛いと煌太は思った。
 彼女は椅子に座った煌太に横から近づくと、検査用の注射を彼の耳に刺して採血する。
 何だかよく分からないが、これが盲腸の検査らしい。
 その時、煌太の肩に何かが触れた。
 弾力のある肉の塊が、彼の肩に押しつけられた。
 それが胸の感触だと煌太は気づいた。この看護師、おっぱいがでかいぞ。
 具合が悪いのも忘れて、煌太は興奮する。
 そして、それだけで、彼の体の一部はムクムクと反応してしまうのだった。

 検査の結果は直ぐに出た。
 盲腸で間違いないという。
 今日、これから手術してそのまま入院だ。
 煌太は家にいる母に電話して状況を伝えた。母は着替えを持って夕方に来るという。

 お腹の痛みを散らすという薬を飲まされ、煌太は一人待合室にいた。
 一週間入院か…
 自分は大丈夫だろうか?と考えていた。
 今朝の岡野拓也のことを思い出す。
 このまま一週間入院したら、自分も夢精するかも知れない。
 病院のベッドで夢精したらどうなる?
 自分の周りに青臭い匂いがはびこり、何事かと看護婦が集まって、その中にはさっきの北条亜美も…
 まずい、まずい、そうなったらまずい。
 
 この前抜いたのはいつだ?
 待合室に貼ってあるカレンダーを見ながら考える。
 合宿では広い柔道場で他の部員と一緒に雑魚寝していたから、オナニーはできなかった。
 だから、五泊の合宿が始まる前の…先週金曜日だ。
 中学1年でオナニーを覚えて以来、1日も休みなく抜いていた。
 5日も抜いてないなんて精通があってからは初めてだった。
 そして、これからは一週間の入院だという。
 合わせて12日…
 どこかで抜かなければ、俺も夢精だ。
 …と、考えているところで看護師に呼び出された。

 看護師の北条亜美は煌太を椅子に座らせて、手術する段取りの説明を始めた。
 しかし、その説明は彼の耳には入らない。
 煌太は彼女に見とれていた。
 目がまん丸くて可愛い。額に垂れている茶色に染まった前髪も素敵だ。
 さらにはナース服の下に隠された胸が大きい。そして、先ほど肩で感じたその弾力。
 煌太は完全に上の空であった。
 亜美は説明の終わりにこう告げる。
「手術が終わってから、明日のお昼くらいまでは一人で動けないのでトイレにいけません。」
「だから、今トイレに行ってなるべく出すようにして下さい。済ましたら処置室に来て下さい。」

 なるべく出す…そこだけ聞いて煌太は決意した。出してしまおう。
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