he said , she said
「———そして実務の責任者が、こちらにおります片岡です」
津島の紹介を受けて、直弥は神妙に頭を下げた。
顔を上げると、三対の瞳がこちらに向けられている。
真ん中に座っている年配の女性、おそらく四十代だろう、の名は寺島陽香。
先ほど交換した名刺によると肩書きは主任だ。
両隣の二人はまだ若い。
向かって右側の女性の女性は村瀬真紀、と一応記憶のポケットに入れる。
明るい栗色に染めた髪はボリュームのあるボブで、毛先を巻いて首まわりを飾っている。
耳にはゴールドのピアス。一見するとセットアップのようで一枚仕立てになっている、凝ったデザインのニットを身につけている。
メイクが濃い。特に目がチャームポイントといいたいのか、まつ毛は上下とも樹氷のようにマスカラで厚くコーティングされている。
まばたくたびに重くはためいて存在を主張する。それは直弥に画像でしか見たことがない食虫植物を連想させた。
ウツボカズラ? いやハエトリグサか。
いったいそのまつ毛でなにを捕らえるつもりなのか。引っつくのは小バエくらいだろう。
津島の紹介を受けて、直弥は神妙に頭を下げた。
顔を上げると、三対の瞳がこちらに向けられている。
真ん中に座っている年配の女性、おそらく四十代だろう、の名は寺島陽香。
先ほど交換した名刺によると肩書きは主任だ。
両隣の二人はまだ若い。
向かって右側の女性の女性は村瀬真紀、と一応記憶のポケットに入れる。
明るい栗色に染めた髪はボリュームのあるボブで、毛先を巻いて首まわりを飾っている。
耳にはゴールドのピアス。一見するとセットアップのようで一枚仕立てになっている、凝ったデザインのニットを身につけている。
メイクが濃い。特に目がチャームポイントといいたいのか、まつ毛は上下とも樹氷のようにマスカラで厚くコーティングされている。
まばたくたびに重くはためいて存在を主張する。それは直弥に画像でしか見たことがない食虫植物を連想させた。
ウツボカズラ? いやハエトリグサか。
いったいそのまつ毛でなにを捕らえるつもりなのか。引っつくのは小バエくらいだろう。