エリートなあなた


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「――それで、肝心の続きは!?」


「…楽しんでるでしょ?」


「あったりまえじゃなーい!」


2日後の日曜日――ソファでクッションを抱えながら、ニヤニヤとじつに楽しそうな瑞穂の顔と対面していた。



黒岩課長と付き合えるようになれたことが、もちろん本日のビックニュースだ。



はじまりは今日の朝、とりあえず電話でその話を報告しておくつもりが。



「茶碗蒸しが食べたい!」の一言から、彼女のマンションへお邪魔することになった。



彼女のお家は郊外のベッドタウンにあって、都内でも静かな住宅街として知られるところ。



スーパーで買い物をして、デザートもゲットして訪れると大歓迎された。



朝食も摂らずに待っていたという彼女に呆れつつ、到着早々エプロンをつけた私。



美味しい美味しい、といつも食べてくれるから作り手としてはありがたいけれど。



研究センスはピカいちでも、料理については途方に暮れるほどダメな瑞穂が心配だ。



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