エリートなあなた
「…いえ、猫が舐めたと思っておきます」
「おいおい、せめてお兄ちゃんにしてくれる?」
「…ぷっ、それこそ危ないと思うんですけど、」
チラリと上目づかいで返せば、「うーわー、真帆ちゃんが妹って…エロ、」
「なっ、なんですかそれ!」
綺麗なデスクで頬杖をついて、横目で私を見ながら言葉を投げかけて来る。
口元には笑みをたたえるその横顔は、黙っていればモテる男の様相であるけれど。
「健全なお兄ちゃんとしては心配ー」
「ふふっ、も、もう…いいです、」
彼のテキトー発言は油断すると、地味にツボへ入る。妙な笑いまで引き出すから不思議のものだ。