エリートなあなた
「…笑いすぎです、」
「あはは、あーごめんごめん違うよ。
多分、入って良いのか悩んでウロウロしたんじゃないかと思って、」
「なっ、何で分かったんですか!?」
目を丸くして声を上げれば、今度は穏やかにくすくす笑う声が返って来る。
「――あと1時間くらいで帰るから、待っててくれる?」
ずるい、ずるい…。YESしか返せない聞き方をされて頬が熱くなってしまう。
「…それじゃあ、ご飯作って待ってますね?」
「いいの?疲れてるだろ?」
「いいえ!…ダメですか?」
あと1時間で帰って来てくれるのなら、せめて疲れた彼を温かい食事とともに迎えたい。