エリートなあなた


ちなみに今日のご飯は21時すぎての食事になるから、大根おろしで消化が良くてあたたまるみぞれ鍋。



野菜もたくさん食べられるし、何より日本酒好きの彼は和食好きだろうと思ったのだ。



あとは鍋を煮込んでいる間に作った、野菜の肉巻きや長芋とオクラの和え物を一緒に。



ダイニングテーブルへ準備して並べ終えたところで、ポケットに入れていた携帯が着信を告げた。



「も、しもし?」


「あ、真帆?悪いけどオートロック解除してくれる?」


緊張で少しだけ上擦ってしまったのは、もちろん電話の主が黒岩課長だったから。


「着いたんですか!?」


「うん、」と短い答えが返って来たけれど、その声は弾んでいるように聞こえた。


「いま開けますね!」


「よろしく」の言葉で電話を終えると、さっそくオートロックを解除する。



そしてレザーのキーケースを手にして、ジャケットを羽織ると急いで玄関へ向かった。



< 178 / 367 >

この作品をシェア

pagetop