エリートなあなた
湧き上がる感情
だから課長のジャケットを掴みながら、「もっとギュッとして下さい」とお願いした。
一瞬、グッと強まった力――それなのにおねだりとは裏腹に、私を支えていた腕が解かれてしまう。
どうしたのか、と課長を見たところ、そのままクッと顎先を掴まれて顔がまた上を向く。
「――やっぱり、天然由来の小悪魔だ」
「へっ?…んっ、か、ちょっ、」
ゆっくり近づいて来た顔に小さく口を開けたところへ、チュッと啄ばむように落とされるキス。
しどろもどろに言葉を継ぐより早く、熱い舌の侵入を許していた。
口腔をなぞる舌先に絆されてすぐ、何の躊躇いもなくなった私もそれへ絡ませる。
歯列をなぞり、絡み合っていく舌の口づけは留まりをみせない。