エリートなあなた


近くでスタンバイさせていた鍋つかみを手にしたところ、



「重いし俺が持つよ。真帆はもう座ってて?」と取り上げてしまった。



節々で気遣いある彼はやっぱり優しいな、と頷いてお願いすることに。



「私は飲み物持って行きますね。…修平さんは?」


冷蔵庫を開けた私は、買い物をした時にゲットしたワインを手にして尋ねると。



「もちろんコレで、」と手にミトンをつけた、彼の手が伸びてきて取り出された物。



――それはブルーのすりガラスがあざやかな小ボトルの日本酒。


「真帆はワイン?」


「コレはよく飲むから、ついでに買って来たんです」


白ワインと魚の相性が良いと言われるけれど、個人的に日本料理と合わせるのも好き。



いつも自宅で飲んでいるワインを見つけたので、ゲットして冷やしておいたのだ。



< 190 / 367 >

この作品をシェア

pagetop