エリートなあなた
近くでスタンバイさせていた鍋つかみを手にしたところ、
「重いし俺が持つよ。真帆はもう座ってて?」と取り上げてしまった。
節々で気遣いある彼はやっぱり優しいな、と頷いてお願いすることに。
「私は飲み物持って行きますね。…修平さんは?」
冷蔵庫を開けた私は、買い物をした時にゲットしたワインを手にして尋ねると。
「もちろんコレで、」と手にミトンをつけた、彼の手が伸びてきて取り出された物。
――それはブルーのすりガラスがあざやかな小ボトルの日本酒。
「真帆はワイン?」
「コレはよく飲むから、ついでに買って来たんです」
白ワインと魚の相性が良いと言われるけれど、個人的に日本料理と合わせるのも好き。
いつも自宅で飲んでいるワインを見つけたので、ゲットして冷やしておいたのだ。