エリートなあなた
暇を持て余さない人なのだと、人の喜ぶ顔を見るのが好きなのだと――一緒に過ごして教えてくれた人だから…。
剛史とデートを重ねていくうち、やっぱり彼は“友だち”だと隠せなくなった本心。
そして残りを数える方が早くなった大学生活の中で、とうとう告げてしまった。
それは2ヶ月を過ぎる目前――テーマパーク帰りに立ち寄った、イルミネーションに彩られた公園でのこと。
楽しそうに隣を歩く彼に向かって、別れようより惨い『やっぱり好きになれない』と口にしたのだ。
放った言葉を聞いた途端、『何で…?』顔を歪ませて泣きそうになった剛史。
ただ逃げたくて『ごめんね』とだけ言い残して、その場を去ってしまったズルい私。