エリートなあなた
やっぱり修平さんの傍にいると、嬉しくてドキドキするのにすぐ眠りたくなってしまう。
うとうとしていたところへ上体が起こされ、支えられたまま重なった柔らかい感触。
しっかり塞がっている口に仰天し、重く往復していた瞼がしっかりと開く。
「うー…んっ、」
もちろん口で“起きた”と訴えようとする。けれど酸素を失うばかりの状況では無理だ。
互いに目を開けたままで続くキスに、ダークグレイの瞳に訴えるとようやく解放感が訪れた。
「はぁ、はぁっ…」
彼の拘束から離れてソファを音を立てて落ちると、胸元を抑えて酸素吸入を繰り返す。
すぐに落ち着いたところで振り返ってみれば、にっこり微笑んでいる修平さん。
「真帆が起きないんだもん、」
「お、起きない…のは、すみません、」
「じゃあ風呂入ろうよ」
「は、…それは嫌です!」
イジワルさを含んだ声で攻め立てるものだから、あやうく頷きかけてしまった。