エリートなあなた
どうにか“修平さん”と、呼び間違えずにきた自分を褒めたくなるほどだもの。
ひとまず苦笑を浮かべて穏便に済ませようとしたけれど、膝上から起き上がった彼。
隣のスペースへ座り直したかと思えば、その綺麗な顔をこちらへ向けて来る。
「たった今から敬語禁止!」
「そんな…!」
「――何か問題でも?」
このオーラと対峙して“いいえ”を言えるわけもなく、「…は、い」と頷いた。
「ハイもだめ」
「えええ!それは厳しいで、…じゃない?」
「真帆、…頑張りすぎ、アハハ!」
「そんなの仕方ないよ!」
必死に取り繕って誤魔化したところ、くすくすと肩を震わせながら笑われてしまった。