エリートなあなた
『朝の約束――今日は寝ないでね』
快感と苦しさにまみれた中で救いを乞った私に、いつになく綺麗に笑うとそう言い放った彼。
何度昇りつめても、何度意識が途切れそうになっても、…それでも離したくなくて。
じわり、と室内の熱気と汗に濡れた身を密着させて、果てなく快楽に身を委ねていた…。
* * *
「…大丈夫か?」
このベッドへ入ってから一体、どれほど時間が経っているのだろう?
「――うん、…多分」
はぁはぁと息を上げて突っ伏している私に、傍らから届く声はひどく心配そうである。
どうにか仰向けに戻った私は、けだるさと一緒にシーツを引っ張りながら上体を起こす。
ズボン姿の彼が備えつけ冷蔵庫からミネラルウォーターを取ってくれ、ひどく乾いた口を冷たい水で潤せた。