エリートなあなた
――――――
「…ほ、真帆」
「うー、…ん。あ、…はよ、」
何度か身体を揺すられて薄目を開けると、目の前にはダークグレイの綺麗な顔の修平さん。
「ハハッ、寝起き悪いよな」
「…うーん、仕事だけは遅刻しないから…不思議です、」
サイドテーブルにあるデジタル時計の時刻は、現在午前3時30分。
大きな欠伸をして重い瞼を瞬かせると、どうにか頭も覚醒してくれたらしい。
いつになく清々しい目覚めの朝。眠りに就いたのはさっきのようで、それこそ睡眠時間は短いけれど。
彼の腕の中で深い眠りに落ちていたせいか。目覚めてすぐに彼を見られたためか。
分からないけれど、とても最高な朝の始まりに感じられる――
夜空に輝く星を見て眠りに就いて、朝日の昇る瞬間に目が覚める。
たったそれだけのことも、愛しい人が隣にいて、時間を共有できるだけでまったく違う。