エリートなあなた


そして修平さんという最強の恋人と出会ったことで、色々な発見をした今の私なら。きっと2年くらい、…乗り越えられるよね?



暫く松岡さんと顔を見合わせていたところ、手のひらで軽く頭をひと撫でされた。



そして屈んで私の耳元へ顔を寄せて来る。…誰も見ていないことを祈るばかりだ。



「まあ黒岩さんは浮気の心配なんてゼロゼロだよねー。

お兄ちゃんが困っちゃうくらい真帆ちゃんにゾッコンだもん」


「な…っ」


私にしか聞こえないほどの囁き声で、“ゾッコン”のフレーズが頬を上気させた。



「それにー、真帆ちゃんが寂しい時は俺が相手するから。あ、出張料は弾んでねー」


今日もまた口角をキュッと上げて、松岡スマイルを浮かべている。



「…ホントーに後輩苛めが好きですね。

今日こそ、絵美さんにそのまま言いつけますから…!」


ジーっと訝しげな視線を送ったところで、プイッと大袈裟にそっぽを向いた。



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