エリートなあなた


「ホント、始末書モノ!?って戦々恐々としてたのに」


「まあ、松岡からのプレゼントってこと?」


「えー…、ありがたく遠慮するわ」


口を尖らせている私がプレゼントしたものがボールペン、そして彼からプレゼントされたものがある。



――それが薬指に填まった、シンプルな一粒ダイヤが中央で輝くピンクゴールドリング。



プレゼントされた時は、ただただ嬉しさとその煌めきと艶やかさに魅了されていたのに。



「これは、エンゲージじゃないから、言うなれば婚約指輪までの繋ぎ――とか言って、男除けのためにね」



この時も呆然とする私に、「帰ってきたら…、その時こそ申し込むから」と重ねてくれた。



予想外の未来の約束を貰えたことが、ずっと2年間走り抜けるエネルギーだったと思う。



このまま前に進んでいけば、新たな未来が待っていると嬉しい約束をくれたから――



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